『食べる』編③(在宅療養に向けて)

食事介助の負担を軽くしたい(2017/4)

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2017年4月、新しい病院の生活にも慣れた頃、義母は食事介助の負担をどうしたら軽くできるかを考えていました。

食事介助で時間がかかるのは、妻が食べ物を飲み込む動作を待つ必要があるためです。介助者がスプーンで食べ物を口に入れても、飲み込めなければ止まってしまいます。しかも飲み込む動作は本人でなければできません。
この頃は、おかずを口に入れて、お茶ゼリーで口の中を満たせば飲み込む動作を誘発させることができていたので、お茶ゼリーを自力で取ることができれば、介助者の負担軽減につながるのではと思いました。

そこで義母が考えました。
今はお茶ゼリーを介助者がスプーンですくって食べさせていますが、お茶ゼリーを細かくに砕いて「吸い飲み」に入れれば、自力で飲むことができるのではないか、と。

早速実践しました。
100円ショップで吸い飲みを入手して、お茶ゼリーはジャガイモをつぶす道具(ポテトマッシャー)で細かくして、吸い飲みに入れて、本人に持たせてみます。
すると、ストローのように吸って、お茶ゼリーを自力でとることができるようになりました。しかも、本人が自力で吸い込もうとするのでその勢いで食べ物が喉の奥に流れ、飲み込みがスムーズになりました。
ナイスなアイディアでした。

もう1点、食事後の口腔ケアでは、吸引機を使って口の中に残ったものや歯磨きの水を吸引していましたが、自宅には吸引機がないので、なんとか吸引機なしで歯磨きができるようにならないか、と考えました。

それまでは、食事の後に口の中に食べ物が色々残るので、注射器を使って水を口の中に流して、吸引機を使ってその水と食べ物の残骸を吸い取った後で歯磨きをしていました。吸引機が無いと口の中に残った食べ物を出せませんでした。
義母は再び考えました。
自宅には吸引機は無いし、レンタルすると結構な費用がかかる。コップで水を飲んで、自力でうがいができれば吸引機は不要ではないか、と。

これも早速実践しました。もちろん病院の了承を得たあとでです。
食後の口腔ケアで、まずコップで水を口に含みます。
その後、顔を下に向けて口を開け、水を吐き出します。
うがいするように口の中で水をぶくぶくすることはできないですが、上記の動作で口の中に残った食べ物は出すことができます。時々口の中の水をゴックンと飲んでしまうこともありましたが、特に誤嚥の危険はないのでご愛嬌と言うことで。これができるようになったので、病室に設置されている吸引機を使う必要はなくなりました。

入院生活が長くなると、病院に言われたとおりに毎日を過ごすのではなくて、もっとこうしたい!と思ったことを病院に伝えて生活を変えていくことができるようになりました。
それを許容してくれた病院に感謝です。

こんな工夫をしながら、食事介助にかかる負担を軽くしていきました。

サクランボを食べる様子。机の上にお茶ゼリーの入った吸い飲みがあります。

 

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