在宅療養の開始に向けて準備が進み始めたある週末、いつものように子供たちを病院に連れて行って家族の時間を過ごしていました。
娘が以前から手帳が欲しいと言っていたため、義母が娘が好きそうな手帳を探してきて、ママからのプレゼントということにして娘に渡す予定でした。
義母はどれにしようか悩んだ結果、手帳を2つ用意してくれました。ひとつはミッキーとミニーの手帳、もうひとつは不思議の国のアリスの手帳です。
それらを妻に持たせて、どちらがいいか娘に選んでもらうことにしました。
その時の写真がこちらです。(↓)
欲しかった手帳が2つもあって娘は大興奮。
「ミッキーとミニーちゃんのがかわいい!、でもアリスのも好きー!」と4歳の女の子全開ではしゃいだあと、アリスの手帳をじっと見て、「あ、アリスの顔のなってるしー!」と叫びました。
そのときです。妻が左側の口元を緩めて笑いました。
失語症で話ができないこともあり、これまでずっと無表情だった妻に笑顔が戻った瞬間でした。
顔の右側の筋肉はあまり動かないようで少々ぎこちない感じではありますが、『おもしろい』と言う感情を顔に出して表現してくれたことで、体は動かなくても心は活きているということを実感できて、とても嬉しかったです。
おもしろい話をしたら妻が笑うということが分かったので、この日以降、子供たちとどうやってママを笑わせるか競争するようになりました。
家族の雰囲気が少し明るくなったような気がしました。
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