2017年2月9日、転院先の病院を決めました。
自宅近くの維持期リハビリ病院で、在宅療養に向けた準備が整うまでの間、入院させていただくことにしました。転院日がいつになるかは、先の病院のベッドの空き次第で急に決まることもあるので未定です。 その日から食事に関して家族へのノウハウの引き継ぎが始まりました。
例えば、お粥ゼリー・お茶ゼリーの作り方を教えてもらったり、病院でも食事に利用している市販の介護食のカタログを紹介していただいたり。また、義母が自宅で作った食事(ミキサー食)を病院で食べさせてみる練習もしました。
実際に用意した食事は以下のとおりです。
2/20:すき焼き
2/21:豚汁
2/22:手羽と玉子のうま煮 実
いずれもミキサーにかけてペースト状にしたおかずを義母が自宅で用意して、病院でとろみ剤を使ってとろみをつけたり、MCTオイルを加えてカロリーアップしたりして食事の時間に食べました。義母は、病院で出てくる食事ではなく自分で作った食事を食べさせることができて嬉しかったようです。
この頃、食事をスムーズに進めるポイントは『お茶ゼリ―』をいかに有効に使うかでした。とろみ無しのお茶だと、飲んでも口からこぼれてしまいうまく飲めません。かといって、とろみの付いたお茶はドロっとしていて美味しくありません。しかし、お茶をゼリー状に固めた『お茶ゼリー』だと美味しく飲み込みやすいので、スムーズに食事が進みます。
介助者がお粥やおかずをスプーンで1口、2口食べさせ、その後にお茶ゼリーを1口、2口食べさせるとその後に本人がゴックンと飲み込む、そんなペースで順調に食事をしていました。
口の中が食べ物でいっぱいになるので、周りから見ると無理に詰め込みすぎじゃないかと思える状態ですが、口の中がある程度食べ物でいっぱいになった方が逆に飲み込がしやすいようでした。
以下、実際の食事の映像です。
短くてわかりずらいですが、12秒前後で喉が動いてごっくんと飲み込んでいるのがわかります。
2017年2月28日、転院日が「3月6日」と決まりました。約1週間後です。
そしてバタバタ準備をするうちにあっという間に3月6日を迎えました。
この病院では、約3ヶ月間お世話になりました。
入院時は経管栄養のみで全く口から食べていない状況でしたが、訓練の結果、流動食であれば何とか食べられるようになりました。口から食事をすることで脳への刺激が増え、入院時と比べると表情が締まったように感じます。きっと本人の意識レベルも改善しているはずです。胃ろうではなく口から食事する基礎を作ってくれたことに感謝の気持ちでいっぱいでした。
そしてタクシーに乗って東京にある次の病院に向かいました。
これまで毎日食べることに関するアドバイスをくれた看護師さんやスタッフの方々ともお別れで、今後はこれまで教わったことを家族自身で実践するしかありません。いつになったらどのくらい回復するのか、全く先が読めない状況ではありますが、何とか妻が家に帰り、家族で元の生活ができるように頑張ろうと決意しました。
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