『食べる』編④(在宅での試行錯誤)

水分が足りない(2017/7)

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2017年6月30日、妻の在宅療養を開始しました。

この頃の妻の食べる力は以下の状態でした。
・姿勢はベッドの上で上体のリクライニング角度60度くらい
・食べ物はお粥ゼリー、お茶ゼリ―等のゼリー状のものや、おかずをミキサーにかけた流動食
・自力で食べることができないので、介助者が食べさせる必要あり

実際に食事している時の映像は、前回のお話(「1年3ヶ月ぶりに帰宅」)のページにありますのでご覧ください。

1日3回、流動食を準備することも大変ですし、約1時間かけて食事介助と口腔ケアをすることも大変です。
昼食時と夕食時のヘルパーさんは初めて食事介助をするので、姿勢の作り方や介助のコツを義母に伝授してもらいながら慣れていただくようにしました。
家族やヘルパーさんの力を借りて、何とか数日過ごしました。

そして、初回の訪問診療でドクターに見てもらった際に、水分が不足気味なのでこまめに水分補給をするように指導がありました。

最初の数日間の水分摂取量は、1日3回の食事のときにお茶ゼリー100mlを何とか飲むのと、食事に含まれる水分のみでした。
健康な人が水分摂取をする場合、起き上がって飲み物をコップに入れてごくごく飲めば、100mlなんてあっという間ですが、妻の場合は、ベッドのリクライニングを起こして、体の両端と頭の後ろにクッションを入れて姿勢を作り、タオルやエプロンをして、机を出して、砕いたお茶ゼリーを吸い口に入れて介助しながら時間をかけて少しずつ飲み、飲み込みに詰まった時には、口を閉じて顎の下を刺激して飲み込みを促したり。
たったコップ1杯の水分を飲むだけでも労力がかかるので、こまめに水分補給をするのも大変です。

そんなとき、かかりつけの病院から、パウチに入ったゼリー状の水を飲んではどうかとアドバイスいただきました。

これだと、お茶ゼリーを砕いて吸い口に入れる準備が不要で、スプーンでゼリーを1口ずつ飲むよりも直接口に含むことができるので、介助者の負担は少し軽減されます。こうして、それまでは「朝昼夜300ml+食事中の水分」だったのが、朝昼晩の食事の合間に水分補給ができるようになり「朝昼夜300ml+食中に200ml+食事中の水分」になりました。
1日に必要な水分量からはまだまだ少ない状態ではありますが、最低限、体に異常をきたさない程度の水分を取ることができるようになりました。

実はこのパウチ、後々大活躍することになります。

 

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